الثلاثاء، 10 سبتمبر 2019

中野たかし

中野 剛志(なかの たけし、1971年(昭和46年) - )は日本の経産官僚、評論家。特許庁総務部総務課制度審議室長を経て、経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課長。研究分野は経済ナショナリズム
来歴・人物
神奈川県出身[2] 。東京大学教養学部教養学科(国際関係論)卒業。『表現者』塾(西部邁塾長)出身[3][4]。

1996年(平成8年)、大学卒業後に通商産業省(当時)に入省。1999年(平成11年)には資源エネルギー庁長官官房原子力政策課原子力専門職に就任。

2000年(平成12年)より、イギリスのエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2001年(平成13年)に同大学院より優等修士号 (MSc with distinction) を取得[5]。

2003年(平成15年)、経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部政策課課長補佐。2004年からは同課燃料政策企画室併任。同年、経済産業省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課課長補佐に就任。

2005年(平成17年)にエディンバラ大学大学院より博士(社会科学)を取得[6][2]。

経済産業省産業構造課課長補佐を経て、2010年(平成22年)6月、京都大学大学院工学研究科(都市社会工学専攻)教授・藤井聡の研究室に退職出向[7]。同研究室には初め助教として在籍し、翌年には准教授に昇格した。独立行政法人経済産業研究所コンサルティングフェロー兼任。

2011年3月17日、『TPP亡国論』の印税収入の半分相当を、日本赤十字社の「東日本大震災義援金」に寄付した[8]。『TPP亡国論』は20万部を超えるベストセラーとなっている[9][10]。

2012年(平成24年)5月31日をもって京都大学を退職し[11]、翌6月1日より経済産業省に復帰[7]。独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構に出向となり、同機構総務企画部主幹、同機構ロボット・機械システム部主幹兼戦略的イノベーション創造プログラム (SIP)『革新的設計生産技術』推進委員会オブザーバーを務めた[12][13]。2014年から経済産業省に戻り、特許庁総務部総務課制度審議室長に就任[14]。2017年7月5日経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課長[15]。

雑誌『発言者』、『表現者』に評論を連載し、佐伯啓思と『発言者』誌上において「近代」の解釈をめぐって論争を展開した。

研究活動
イギリス経験論の代表的人物であるデイヴィッド・ヒュームを経済ナショナリストとし[16]、ヒュームからアメリカの経済ナショナリストであるアレクサンダー・ハミルトンへの流れ[17]、ハミルトンを経由して経済ナショナリストの一大学派であるドイツ歴史学派の創始者フリードリッヒ・リストまでの思潮を辿り[18][19]、ヒュームからヘーゲルを経て[20]、新古典派経済学の創始者の一人とされるアルフレッド・マーシャルが実は経済ナショナリストであることを論証しようと試みた[21]。また、混同されがちな経済ナショナリズムと重商主義はその立場が異なることを、「ネイション」(国民あるいは人々の社会的・文化的・心理的紐帯)と「ステイト」(政府あるいは政治的・法的制度)の両者の基盤の違いを軸に論じた[22]。

主張・言論活動
経済思想
経済ナショナリストによる思想の再解釈を通して、これらの思想の底流にあるのは、理性と思索により抽象化・単純化した思考ではなく、文化や社会慣習、常識の蓄積などをあるがままに掴み取ろうとする解釈学的アプローチであるとする。抽象的な数理モデルや、経済現象を利己的個人に還元した方法論的個人主義など、これらに基づく主流派経済学の非現実的な抽象論を批判し、これに依拠する民営化・規制緩和・小さな政府などの新自由主義的な手法が問題解決に対して失効しているばかりか、軋轢や問題の原因でもあると主張している[23]。
中野は、新自由主義が信奉する自由放任の市場経済は、家族・共同体といった保守が重視する価値を破壊するため、国家・道徳のためにも、保守は新自由主義と手を切るべきだと主張している[24]。
経済史
経済思想史の流れで経済が順調ではない時の傾向として、通常の経済学の議論で見落とされていたものに注目する動きが出てくるとし、危機の時はオーソドックスから逸脱できた国だけが生き残れるとする[25]。
経済論
デフレーションを解決することが最優先課題であるとし、内需拡大こそ重要であるとしている[26]。外需促進は貿易黒字の拡大を伴うが、これは円高を促し国際競争力を失う自殺行為であると指摘する。むしろ、財政出動により内需を拡大することで輸入が増加し、これが円を安くし国際競争力を高めることにつながるとする。すなわち、財政出動による内需拡大こそが円高を止めるとする。マンデルフレミングモデルに対して、デフレ下では金利の大幅な上昇はありえないため、自国通貨高にはならないと主張している[27]。
「くたばれグローバル資本主義」が座右の銘であり[28]、海外からの需要取り込みや国際分業の伸展により経済活性化を目指すグローバル成長戦略論には否定的である[29]。
TPP反対派の代表[30]、TPP反対の急先鋒[31]とも言われており、反TPP論者として注目されている[32]。TPPについて中野は「日本はすでに開国している」「TPPで輸出は増えない」「TPPは日米貿易だ」と持論を展開している[33]。中野が編集した『TPP 黒い条約』ではTPPが内包する問題点を、中野を含め専門家7人がそれぞれ解説している[34]。
受賞
2003年(平成15年)、エディンバラ大学大学院留学中に執筆した論文「経済ナショナリズムを理論化する」[35]により民族性ナショナリズム学会のドミニク・ジャッキン=バーダル論文賞 (Dominique Jacquin-Berdal Essay Prize) を受賞[36]。
2012年(平成24年)、『日本思想史新論』により山本七平賞奨励賞を受賞[37]。
同年、『TPP亡国論』(集英社新書、2011年)により新書大賞で第3位を受賞[38]。
評価
ジャーナリストの森健は、中野の著書『TPP亡国論』について「著者はまずTPPは国内総生産比率で事実上、日米2カ国の自由貿易協定(FTA)に過ぎないことを示した上で、アメリカはなりふり構わぬ輸出強化策に出ていることを証明する。冷静な論考の過程で見えてくるのは、国民を幸せにしないグローバル経済の問題だ。TPPだけに終わっていないのが本書の深みだ」と評している[39]。

元京都大学農学部教授の祖田修は、中野の著書『反・自由貿易論』について「本書はTPPに関し、最も信頼しうる著作の一つである」と評している[40]。

早稲田大学政治経済学部教授の若田部昌澄は、中野が経済学を理解した上で、自説に適した理論を的確に選び[19]、「そう言われればそうかな」と思ってしまうような論を展開しているとして、「トレード」を教える反面教材としては悪くないとしている[41]。これを獨協大学経済学部教授で経済評論家の森永卓郎は、中野の議論もきちんと経済学に基づいたもので立つ経済学が違うのだと若田部が指摘していると書評に書いている[42]。また、森永卓郎は「国内市場の保護のために最も強力な手段は為替である」という点に関しては、若田部と中野の立場は一緒であり、円高やデフレは基本的には貨幣問題で、資金供給量の多寡が為替・物価を決定するという基本的な経済理論を共有していると述べている[42]。

若田部は「いろいろな人が反TPP論を繰り出したが、どれも中野のバリエーションのようなものだった。彼の議論をあらためて確認しておくことにはまだ意義がある」と述べている[43]。

松原隆一郎は最初に景気回復は赤字財政による公共投資で可能になるという中野の主張を聞いて疑問を持ったと述べている。政府が国民の貯金を上回る累積赤字を背負うなら、その国家は財政破綻するのではないかと問うた。中野は銀行制度において、預金通貨は振り込まれる預金が転送されて生まれるのではなく、資金を求める人の口座に返済可能と判断し準備預金を積む限りで貸出額を記帳するだけで預金通貨は発生するので、政府も国債を政府紙幣を発行して「受領」されさえすれば通貨になるのだから、不況期には政府は支出を無限に増やせるのであると主張した。松原はこの貨幣論はその国家がどこまで「信用」されるかにかかっているため、中野の軍事技術・費用逓減産業・地理的差異など、長期にわたって富を生み出す仕組みの説明で理論の筋が見えたと述べている[44]。

著書
単著
『国力論』以文社、2008年。 ISBN 4753102610
『経済はナショナリズムで動く』PHP研究所、2008年。 ISBN 4569703186
加筆・改訂版:『国力とは何か 経済ナショナリズムの理論と政策』講談社(講談社現代新書)、2011年。 ISBN 4062881152
『恐慌の黙示録』東洋経済新報社、2009年。 ISBN 4492395148
加筆・改訂版:『資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ』角川書店(角川新書)、2015年。 ISBN 4047317357
『自由貿易の罠』青土社、2009年。 ISBN 4791765117
『考えるヒントで考える』幻戯書房、2010年。 ISBN 4901998579
『TPP亡国論』集英社(集英社新書)、2011年。 ISBN 4087205843
『日本思想史新論 プラグマティズムからナショナリズムへ』筑摩書房(ちくま新書)、2012年。 ISBN 4480066543 ※第21回山本七平賞奨励賞受賞
『レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想』NHK出版(NHK出版新書)、2012年。 ISBN 4140883731
『半官半民 中野剛志評論集』幻戯書房、2012年。 ISBN 4864880018
『官僚の反逆』幻冬舎(幻冬舎新書)、2012年。 ISBN 4344982908
『日本防衛論 グローバル・リスクと国民の選択』角川マガジンズ(角川SSC新書)、2013年。 ISBN 4047315923
『反・自由貿易論』新潮社(新潮新書)、2013年。 ISBN 4106105268
『保守とは何だろうか』NHK出版(NHK出版新書)、2013年。 ISBN 4140884185
『世界を戦争に導くグローバリズム』集英社(集英社新書)、2014年。 ISBN 4087207552
『資本主義の預言者たち ニュー・ノーマルの時代へ』角川新書、2015年。ISBN 978-4047317352
『富国と強兵 地政経済学序説』東洋経済新報社、2016年。ISBN 978-4492444382
『真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学』講談社現代新書、2017年。ISBN 978-4062884259
『経済と国民 フリードリヒ・リストに学ぶ』朝日新書、2017年。ISBN 978-4022737342
共著
(関岡英之・長尾たかし・東谷暁・藤井孝男・三橋貴明・山田俊男・水島総)『亡国最終兵器-TPP問題の真実』青林堂(チャンネル桜叢書)、2011年。 ISBN 4792604354
(山名元・森本敏)『それでも日本は原発を止められない』産経新聞出版、2011年。 ISBN 4819111450
(エマニュエル・トッド,フリードリッヒ・リスト,ダヴィッド・トッド,ジャン=リュック・グレオ,ジャック・サピール,松川周二・西部邁・関曠野・太田昌国・関良基・山下惣一)『自由貿易という幻想 リストとケインズから「保護貿易」を再考する』藤原書店、2011年。 ISBN 4894348284
(柴山桂太)『グローバル恐慌の真相』集英社(集英社新書)、2011年。 ISBN 4087206203
(西部邁・佐伯啓思・柴山桂太・中島岳志・東谷暁・藤井聡・富岡幸一郎・原洋之介)『危機の思想』NTT出版、2011年。 ISBN 4757142765
(西部邁・佐伯啓思・富岡幸一郎・柴山桂太・中島岳志・原洋之介・東谷暁・藤井聡)『文明の宿命』NTT出版、2012年。 ISBN 4757142889
(三橋貴明)『売国奴に告ぐ! いま日本に迫る危機の正体』徳間書店、2012年。 ISBN 4198633592
(藤井聡)『日本破滅論』文春新書、2012年。 ISBN 4166608711
(関岡英之、岩月浩二、東谷暁、施光恒、村上正泰、柴山桂太)『TPP 黒い条約』集英社[集英社新書]、2013年。 ISBN 4087206955
(三橋貴明、柴山桂太、施光恒、森健)『反動世代 日本の政治を取り戻す』講談社、2013年。 ISBN 4062183307
(柴山桂太、施光恒)『まともな日本再生会議 グローバリズムの虚妄を撃つ』アスペクト、2013年。 ISBN 4757222572
(佐藤健志)『国家のツジツマ 新たな日本への筋立て』VNC、2014年。 ISBN 4434189395
(佐藤健志)『国家のツジツマ 新たな日本への筋立て デラックス版』VNC、2014年。 ISBN 4434190598
(エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、柴山桂太、藤井聡、堀茂樹)『グローバリズムが世界を滅ぼす』文藝春秋、2014年。 ISBN 4166609742
(柴山桂太)『グローバリズム その先の悲劇に備えよ 』集英社新書、2017年。ISBN 978-4087208863
編著
(佐藤方宣・柴山桂太・施光恒・五野井郁夫・安高啓朗・松永和夫・松永明・久米功一・安藤馨・浦山聖子・大屋雄裕・谷口功一・河野有理・黒籔誠・山中優・萱野稔人 )『成長なき時代の「国家」を構想する』ナカニシヤ出版、2010年。 ISBN 4779505135
(東谷暁・三橋貴明)『「TPP開国論」のウソ 平成の黒船は泥舟だった』飛鳥新社、2011年。 ISBN 4864100802
共訳書
スコット・A・シェーン『〈起業〉という幻想 アメリカン・ドリームの現実』谷口功一・柴山桂太、白水社、2011年。 ISBN 4560081646
論文
藤井聡・中野剛志「マクロ経済への影響を踏まえた公共事業関係費の水準と調達方法の裁量的調整についての基礎的考察」京都大学 都市社会工学専攻 藤井研究室
藤井聡・久米功一・松永明・中野剛志「経済の強靭性(Economic Resilience)に関する研究の展望」RIETI 2012年4月

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